ヤサオトコ

 栗崎は行き成り冴が、社長の席に座るよう勧めたのでぎくっとした。


 「どうせ、この席があなたの席になる事だし・・・」
 「僕がですが」


 冴が無理やり栗崎の手を引張って、自分の席に栗崎を座らせた。


 「どう、座り心地は?」


 冴が自分の席に座っている、ばつの悪そうな栗崎を見て顔を覗き込んだ。


 「・・・」


 栗崎はどう答えたら良いか、皆目分からなかった。


 コンコンコン。


 そこへ、女子社員がコーヒーを二杯、ぼんに載せて運んで来た。
 女子社員は栗崎が社長の席に座っているので、露骨に驚いた表情を見せた。見てはいけないものを見たのか、女子社員は急いで部屋から退出した。


 女子社員の驚いた表情に気付いた栗崎は、急いで社長の席から離れた。そして、ソファーに席を変えた。











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