ヤサオトコ
「わかるかな」
「わかるだろう」
栗崎は少し不安だった。
栗崎が時計を見た。
丁度、12時30分。
「お待たせ」
その時、女が現れた。
女は、恐らく25歳から30歳の間。
髪は長く、紺色の制服を着ている。
(こんなに美人だったかな)
栗崎は女の大きな瞳を見てどぎまぎした。
「これ、お返しします」
女がバッグを栗崎に手渡した。
「本当に有難うございます」
栗崎が、頭を大きく下げてバッグを受け取った。