ヤサオトコ

 「わかるかな」
 「わかるだろう」


 栗崎は少し不安だった。


 栗崎が時計を見た。
 丁度、12時30分。


 「お待たせ」


 その時、女が現れた。
 女は、恐らく25歳から30歳の間。


 髪は長く、紺色の制服を着ている。
 

 (こんなに美人だったかな)



 栗崎は女の大きな瞳を見てどぎまぎした。


 「これ、お返しします」

 女がバッグを栗崎に手渡した。


 「本当に有難うございます」


 栗崎が、頭を大きく下げてバッグを受け取った。






< 46 / 326 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop