ヤサオトコ
急いで、房江が格子戸を閉めた。
「いったい、どないしたん」
房江が栗崎の顔を覗きながら尋ねた。
「馬鹿にしやがって・・・」
「皆が馬鹿に・・・」
「いやや!」
栗崎は床に座り、両足をばたばたとさせている。
「何があったんや。可愛そうに」
房江が栗崎を、思わず抱き締めた。
「可愛そうに。嫌なことがあったんか。可愛そうにな」
「皆が・・・僕を・・・馬鹿にするんだ」
栗崎が口を尖らせて呟いた。