ヤサオトコ

 「いやらしい!二人はそんな関係だったの」


 房江は急にドアが開いたので驚いた。そして、石鹸だらけの左手を左右に振った。


 「違う。違う。えらい、勘違いや」
 「この場に及んで、まだ嘘付くつもりか」


 野乃絵が呆れた顔をしている。


 「嘘やない。真実や。うちの言う事、聞かんかいな」


 房江が、今までの事をかい摘んで野乃絵に説明をした。


 「へえ、そうやったの。栗崎さんが酔っ払って、ストリップを。私も見たかったな」


 野乃絵は正直、残念そう。


 「何を、暢気な事を。栗崎さん、うんちだらけで、大変やったんやから」
 「それは、ご苦労様でした」


 「きっと、会社でのいじめに、耐えられんようになったんやで。可愛そうにな」
 「パワーハラスメントか。どこの会社でもよくあるわ。分かる。分かる」


 野乃絵が、やけに納得顔。
 野乃絵の目が、ある一点から離れない。


 「せやけど、栗崎さん、毛深いな。それに・・・」
 「いやらしい。あんた、どこを見てるんや」


 「せやかて、若い男の裸なんか、そう見れるものではないわ」
 「あほな事言わんとき」


 「そやけど、若い男の裸はええなあ。幾ら見ても飽きないわ」
 「それ位にしとき。そんな事言う暇があったら、栗崎さん洗い終わったから、あんたも着替え手伝って」


 房江は栗崎に新しいおむつを当て、自分の浴衣を着せた。
 二人は栗崎を二階に上げ、ふとんに寝かせた。







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