彼は人魚姫!
「で、でも、この格好はないんじゃない?」


「ママが喜ぶと思ったんだ。久しぶりでしょ?僕のカラダ」


そ、そりゃあ久しぶりだけど。
いや、違う。そういう事じゃない。


「風邪引くでしょ?時期を考えなさいって」


「ほら、そっちの心配。すっぽんぽんは構わないんだ?」


顔が一気に赤くなるのが分かった。
人間、本心が隠せない時がある。
もう、どう言い訳したらいいのか分からない。
すると、しぃが優しくあたしの体を引き寄せて一緒に毛布にくるまった。


「これからはママのカフェを一緒にやる。凪が結婚祝いに店を譲ってくれた。僕はここでママと生きて行く。もうどこにも行かない。……ママ、ずっと、こうしたかった。この手で触れたかった」


あたしも……。


「お帰り。しぃ」



人魚姫はいつだって愛する人の事を深く想ってる。
例え泡になろうとも、その人の幸せを願い、守る。
でも、男の人魚はちょっと違う。
愛する人をとことん愛して、愛されてしまう。


きっと素敵な魔法をかけられた。
永遠に解けない深い愛の魔法。
ずっと愛してくれる。
ずっと大事にしてくれる。
そして、あたしもずっと愛し続ける。

すっぽんぽんのあなたを。




~完~


2013年12月2日 霧の深かった日


< 180 / 181 >

この作品をシェア

pagetop