彼は人魚姫!
「えっ?」


何で?
向こうから走って来た人にいきなりほっぺたをひっぱたかれたような衝撃が体の真ん中に走った。
白紙に戻すって事?
あたしの鳩が豆鉄砲くらったみたいな顔を見て、薫が「勘違いすんなよ」って笑った。


「あのさ、オレたち、まだちゃんと付き合ってなかったんだよな。友達…だったわけで。ほら、やっぱりそういうのも…ないと。な?いきなり『結婚』って言われてもお前も困るよな」


「あ…、そう…だね」


そういう事か。って、あたしは何を安心してるんだろう。
さっきのざわついた気持ちも自分でよく分からない。
理由をつけられない。


「だから、改めて言う。結婚を前提に付き合ってくれ」


うん。うん。なるほど。そうだね。その方が正しいね。
………。
ちがぁう!ダメだよ。そんな今すぐ答えが出るべき事を聞いちゃあ。
ここまで時間があって、これに答えられない訳がない。


「あ……」


これはある意味、プロポーズの答え…だよね。
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