白雪姫と王子様!?
2人目の王子様
「エーミールちゃんっ♪」

少しかすれた、少女とも少年ともとれる声で名を呼ばれ、2人は反射的に振り向くことになる。

「ポカンとしちゃって、やだなー、俺のこと、覚えてない?」

いきなりで戸惑うエーミールは、さっきのエリオットの心情もこんな風だったのかと思い起こした。

「兄上の後ろを金魚のフンみたいに付いて歩いてたガキ、知らない?」

思考を巡らせ、必死に思い出そうとするが、どうにも思い出せない。

「ふぅん、じゃ、お見知り置きをー」

遠くにあると思ってたエアリスの顔が至近距離に縮まり、唇に触れる柔らかい“何か”

それが相手の唇だと解るまで、多少の時間を要した。

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