白雪姫と王子様!?
言いにくそうに、ノーラ王が口を開いた。

「時に、姫よ、貴女は何と呼んだらよいだろうか」

横で妃が扇でつつく様子も見える。

「お好きにお呼び下さいませ」

にっこり笑ってお辞儀をして、広間を出た。

途端、淡いエメラルドグリーンの髪に縁取られた、端正な顔立ちのどことなくぼんやりとした、見覚えのある顔と鉢合わせした。

「エリオット!」

一瞬驚いてから、眉をひそめて、

「どちら様でしたっけ…?」

それもそのはず、15年も姫を続けていれば、仕草から格好から女性にしか見えない。

「昔!昔遊んでもらったエーミール!覚えてない?」

必殺上目遣い。
無意識の上目遣いは、正に15年の姫生活と教育の賜物だ。
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