vampire*love2
「そしてそこで和樹と出会ったのがキキョウだったの。私は和樹の想いなんてわからないけど、確かにあなたを愛してたと思うわ。」





「サクラさまと和樹さまにそんなことがあっただなんて…」




「もうずいぶんと昔の話になるのよ。ヴァンパイア大戦よりも前の話だもの。」





「サクラさまは…?」




うつむくキキョウとは対象的にしっかりこちらの目を見ている森。




「私…?」




「サクラさまはずっとお一人で?」





「そうよ。ベタだと思うけれどもう二度と一人の人を愛したりしないって決めたもの。」




「俺も…?」



眉をひそめ、痛いくらいのまっすぐな視線をぶつけてくる森。




「サクラはそう決めたのよ。桜姫は知らないわ。」




そう、私はサクラなのだから。もう誰も愛したりしない。




けど桜姫は。




サクラであってサクラじゃないから。










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