vampire*love2
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特急列車を降りて、駅から見える小高い丘を目指し足を進める。




高めの塀で覆われた黒塗りの大きな洋館が和樹の屋敷。




久しぶりに訪れる土地に身体が反応する。




「和樹さまのところへ案内すればよろしいのですか?」



「そうね、お願い。」



隣を歩く森は、歩調を私にきっちり合わせ決して離れようとしない。




「私はサクラだ。警戒せずとも死んだりしない。」



「意思はサクラ様であっても身体は桜姫だ。
サクラ様に対する敬意と桜姫への想いですが、受け取っていただけないのですか?」








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