音楽の女神〜ピアノソナタをあなたに
「もちろんコンクールにはまた挑戦するんでしょ?」

「うん。でもこれからはコンクールだけに括らないで、コンサートとか今以上に、いろんな人にわたしのピアノを聴いてもらいたいなって思ってるの」

「そっか…でも、それはわたしも賛成だよ!
セアラのピアノ、わたしもみんなに聴いてもらいたい!」

心配そうなエマにセアラが笑顔で答えると、その言葉に安心したのか、エマも楽しそうに「わたしも負けてられないね!」と微笑む。



その後、今日の授業がどちらももう終わりであるとわかると、セアラとエマはキャンパス内にあるカフェへと移動していた。

天気も良いのでテラス席へと座った二人は、いつものように紅茶を頼むとおしゃべりに花を咲かせる。

たいていはお互い今やっている課題曲のことなど音楽の話ばかりだけれど、年頃の女の子らしい噂話などで盛り上がることもある。

「そういえば、今度のオスティア交響楽団の定期演奏会の演目見た?」

「あ、ううん、まだ」

テーブルの上にエマの持っていた音楽雑誌を広げ、二人で肩を寄せてそれを読みながら会話をする。

エマに尋ねられ、セアラは雑誌から目を離すと顔を上げた。

「何をやるの?」
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