音楽の女神〜ピアノソナタをあなたに
するとセアラの問いかけに、エマは瞳を輝かせた。

「それが久々にピアノ協奏曲をやるみたい!」

「え、そうなんだ!すっごく行きたい!
今からじゃチケット取れないかな…」

セアラも同じように瞳を輝かせると、首をひねって考える。

ピアノ協奏曲とは、オーケストラとピアニストが共演する壮大な演目のことをいう。

オスティア交響楽団は音楽が盛んな国であるオスティアでも、一番人気のあるオーケストラだ。

世界的にもトップレベルの演奏を聴くために、演奏会のチケットを取るのは簡単なことではない。

セアラ達が通うオスティア音楽学院の卒業生も多数在籍している、まさに憧れの楽団なのだ。

「それは無理そうだよ、今回は特にね」

「え?どうして?」

確かに難しいかもしれないけれど、『今回は特に』とはどういうことか。

残念そうに肩を落とすエマに、セアラは不思議そうに首を傾げた。

「だって、あの世界一と名高いオスティア交響楽団と共演するピアノソリスト、誰だと思う?」

「え、う〜ん…誰だろ…
きっと世界的に有名なピアニストってことは確かだよね」

セアラは真剣に大物ピアニストや、今勢いのある若手ピアニストなどを頭に思い浮かべる。
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