紅蓮の鬼



「…もし、さ」


間を置いて、楓太が落ち着いた声音で言う。


「俺らがまた出会ったりしたら、どうするんだ?」


風が強く吹いた。


冷たい。


「……感動の再会だろうな…」


ワタシは目を落として、微笑む。


「じゃぁ、俺が死んだ理由も考えておく必要があるのか…」


楓太は腕を組んで、死んだ理由とやらを考え始めた。


「そんなもの〝沼に足を滑らせて落ちて溺れました〟のようなことでよかろう。あ、なんなら〝沼に人魚がいたので、つい〟にするか?」


ワタシは思いついたものから適当に言う。


「雑だな!!!んでもって、沼ネタ好きだな!!!」


くわっと大きく口を開けて言った。


「それよりおまえ、またワタシの里に来るのか」


その言い方だと、ワタシには「また来る」と言っているように聞こえる。


楓太は考えるしぐさをした。


「………たぶん、行かねぇと思う」


――なら何故死んだ理由を考える


ワタシは密かに思った。





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