紅蓮の鬼
「あ、自己紹介がまだだったわね」
オカマはそう言ってちゃんと立つ。
「…………………………」
俺は眉を眉間に寄せた。
――男の汗臭い匂いは出すなよ
実はオカマからものすんごい匂うのだ。
香水かと思ったけど、香水とも汗臭さともいえる匂いがプンプン匂うのだ。
「ピエール・ポーンよ。ポーン姉さんって呼んで頂戴」
オカマはそう言って、両目を細める。
たぶん、ポーン姉さん的にはウインクをしているんだと思うけど、
「全然出来てませんよー」
とか言いつつ、俺も自己紹介をする。
「俺はミナミ・ソータ」
実を言うと、俺の名前の漢字は当て字なのだ。
「あら、じゃぁお水って呼ぶわ」
彼…女?はさも当然というように言う。
「え、何で!!?」
――俺の名前って水っぽいか!!?
「ソータってソーダ水みたいでしょ?」
「いや、全然」
「だから、お水」
「えぇ!!?何で!!?ソーダ水からお水に変わった経緯が全然わかんねぇよ!!?」
「んもー…頭の悪い子ねぇ……」
姉さんはプーっと頬を膨らます。
――悪かったな、頭悪くて
「ソーダ水じゃ長いから、略してお水よ」
「もはや名前と全然関係ねぇ!」