紅蓮の鬼
それから暫く経った時、空木が真剣な顔をして「静かに」と人差し指を口に当てる。
「…………………」
滅多に見せない空木の真剣な顔に、桜は茶化すこともなく素直に黙る。
鴉が空木の肩に止まった。
会話をしているようだった。
「!!?」
突然、空木が目を見開く。
「下がれ二人とも!」
「「!」」
いつになく大きくて、野太い声だった。
ワタシと桜がサッと退いた瞬間――
-----カカカッ
ワタシがいた所には、矢や異様に先の尖った投げやりが深く刺さっていた。