紅蓮の鬼


それから。


ヨシャは彼らに数々のを謝って、「干渉しない」と約束し、帰って行った。


「本当に守ってくれんのかよ」


ヨシャの背中を見て、劉月さんが呆れたように言う。


「守らない約束は約束とは言わないよ、劉月」


イチイさんが穏やかな口調で言い、続ける。


「さて、帰るよ」


「これじゃ後片付けが大変だな…全く」


劉月さんが大きくため息を吐く。


「あ、幸せ逃げるよ」


「うるせえ」


そんなやり取りを見て、俺はクスリと笑った。




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