紅蓮の鬼
とは言っても、ボケッとつっ立ってても腹が減るだけで。
俺はよく分からないこの山道を覚えている限り歩くことにした。
けど、思った通り。
「……ここの道…通ったか?」
と、思うくらいよくわからない、草がボーボーに生えているところを歩いている。
「絶対この先何もないだろ」とは思うけど、
「この先何があるんだろう」という俺の冒険心に火がつく。
で。
結局、
俺はバケツと釣竿と魚の餌持ったまま、
釣りのことなんか忘れてどんどん草むらの奥へと進んでいく。