みんなの恋~short stories~
「うん、だから好きってこと」
「…意味わかんないけど、あたしも好きだよ。」
「あー、好きだわ」
ついにはあたしを抱きしめたままグルグルと半回転を繰り返し始めた。
足が持ち上がってて何かのアトラクションのような。
しばらくそうした後あたしをストンと地面に落とした。
「浜野ー、手だして。」
何かくれるのかな。
斎藤はバックの中をゴソゴソしている。
「ほい」
手のひらにヒンヤリとした感覚がした。
ストラップのようだ。
金属質のプレートにloveと筆記体にピンクの文字が書いてある。
「見て」
と言うので見てみれば斎藤のケータイに青文字で同じようにloveと書いてあるストラップ。
「いろちー」
と嬉しそうにストラップを見せつける斎藤。
「…やることがクサいよ!」
そういいながらもあたしの顔は満面の笑みだ。