青春電車

にこっと笑うと人混みをかき分けて

私の元へ来た。

「おはよー!アイ」

「おはよう、サキちゃん…」

言っている途中に気付いた。

サキちゃんは手を繋いでいる。

「亮介、うちの友達のアイちゃん」

嫌だ。やめて。人混みから彼を

出さないで。

「友達?」

声が今まで史上最高の近さで耳に

入る。

手を引っ張られながら大人の陰から

出て来たのは私が一目惚れした

彼だった。
< 50 / 65 >

この作品をシェア

pagetop