アンサツシャ


 恋華が携帯電話の様な物を扱っていると、病室のドアをノックする音が聞こえた。



恋華「!!」



 恋華が返事をする前にドアが開く。
 恋華は、驚いて手に持っていた物を反射的にジャケットのポケットに入れた。


 しかし病室に入ってきたのはレインではなく、体格のいい看護婦だった。



看護婦「レインさん。具合はどうですか?

……あれ?」



恋華「あ、アハハハハ!
……レインさんどこか行っちゃった」



 笑いながら恋華が言った。



看護婦「ええっ!?」



 看護婦は驚いて、部屋に付いている電話を手に取り話し出した。



(……何か面倒な事になってきたよ……)



 恋華は看護婦が電話で話しているうちにコソッと病室を出た。

 早歩きで廊下を行き、エレベーターで一階に降りて病院を出た。



(ふーー、マジ面倒なのは勘弁だよ。

でも……レインさん大丈夫かな?)



 建物から出た瞬間、冷たい風が恋華に吹き付けた。
 恋華は寒くてポケットに手を入れる。
 すると手に何か当たったので、気になってポケットから出してみた。



(……ゲッ、勢いでコレ持って来ちゃったよ。
どうしよー)



 しょうがなく恋華はそのまま家に持って帰った。



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