アンサツシャ


 家に帰ってきたレインは、疲れた様子でポケットに入れていた車の鍵などをテーブルの上に出して置き、着ていたコートを脱いだ。


 ため息をつきながら煙草に火をつけ、レインはソファーにドカッと座った。



 一服しながら、ふとポケットから出した物を見る。

 その時、何かを思い出したのか、レインは着ていたコートのポケットに手を入れた。



レイン「……あれ?」



 ソファーから立ち上がり、コートや着ているスーツのポケットをすべて探し始めた。



レイン「……マジか、ねーし。
あれ? ジェイトどこ置いたっけ?」



 ジェイトとは、特殊部隊だけに組織から渡されてる小型のパソコンの様な物だ。
 形はスライド式の携帯電話のような感じで、これで任務のデータなどを確認、保存したり組織に送ったりできる。
 それ以外にも使い方次第で、色々できる機能はあるようだ。



 部屋の中を探し回ったが見つからない。
 レインは、ため息をつきながらソファーに座り込んだ。



レイン「車に置いた記憶はねーし……。


……まさか……病院か?」


 煙草の火を消して、ソファーから立ち上がった。

 レインは急いで家から出て駐車場に向かい車に乗り込む。
 エンジンをかけ、勢い良く駐車場を出て病院に向かった。
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