アンサツシャ


 病院は隣町のルクセンで、レインの家から車で三十分程の距離だ。

 病院が開いている時間に何とか間に合ったレインは、駐車場に車を停めて急いで病棟に走った。

 エレベーターに乗り、入院していた病室に向かって走る。


 病室に入ったレインは、ベッドやその下などをくまなく探した。
 しかし、ジェイトは見つからない。


 レインが病室の中をウロウロしていると、突然ドアが開いて体格のいい看護婦が入ってきた。



看護婦「あらっ? レイン・ミラーさんですよね?

どこ行ってたんですか?
探しましたよ」



レイン「あ?」



看護婦「駄目ですよ、勝手にいなくなっちゃ。

検査の結果はもう出てますから、ちょっと先生呼んできますね」



レイン「なんともねーから、いいってそんなの。

それより一つ聞きてーんだが、他にこの病室に入って行った奴見てないか?」



看護婦「え? 私が知ってる限りじゃ見てないですね。
付き添ってた方以外は」



レイン「付き添い……。
そういえばそいつは?」



看護婦「それが突然いなくなっちゃったんですよ。
二人していなくなって困りましたよ」



レイン「そうか……。
世話かけたな」



 そう言い、レインは病室から出た。



看護婦「あ、ちょっと!」


 呼び止めようとする看護婦を無視し、レインは走って行った。
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