アンサツシャ


 組織本部を出たレインは、とりあえず車に乗って自宅に向かった。



[……人殺しはダメだよ。
たとえ仕事でもどんな理由があっても。
レインさんいい人なんだからヤメて欲しい]



 車を運転してて、恋華が言った言葉をレインは思い出していた。


 世界平和の為。
 レインはそう小さい頃から組織で教わってきた。


 必要ない人間。
 生きる価値のない人間。
 そいつらを始末する必要がある。


 考えれば考える程、今までの自分が否定されてる気がしてレインは腹が立った。






 冬の寒空の下、レインの車はルクセンの市街を走り抜ける。


 運転をしていてレインの腹が鳴った。
 ふとカーナビの時計を見ると時刻は十二時。
 昼御飯を食べてなかったレインは、道を走っていてハンバーガーの店を見つけた。

 大きなハンバーガーの絵が付いた看板が印象的で、そう大きくない店舗は、ドライブスルーと店舗内で食事ができるような構造だ。


 レインは適当にその店に決め、ドライブスルーのレーンに入った。
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