アンサツシャ


レイン「ったく、何であいつがここに……」



 ドライブスルーのレーンを出て、とりあえず店の駐車場に車を停め、レインはハンバーガーを食べ始めた。
 ハンバーガーの味は良く、袋の中には注文すらしていないビックサイズのポテトに小さなカップに入ったサラダがあった。

 好意で入れてくれたのか間違えているのか、レインは首を傾げながら食べる。


 その時、店の方から何か叫び声が聞こえてきた。



客「お前どれだけ待たせりゃ気が済むんだ、このガキ!」



「も、申し訳ありません! すぐ……」



客「こっちは急いでんだよ! だからドライブスルー寄ったんだろうが!」



 そのモメている声は大きく、窓を開けていれば会話全てを聞き取れる程だった。



レイン「うるせーな。
って、モメてるのあいつじゃねーか?」



 レインはハンバーガーを食べ終わり、車を降りて煙草に火をつけた。



恋華「申し訳ありません!」



客「謝れば済むと思ってんのかコラ!
俺はこれから仕事だったんだよ! 間に合わねーじゃねーか、テメーがダラダラやってるから!」



客「聞いてんのかコラ! ちょっと出て来い!」



恋華「ちょっ、お客様っ! やめて!」



 客は車から降りてきて、受け取り窓口の横にある従業員出入り口から店内に入り、恋華を店から引っ張り出した。
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