Raindrop~Mikoto side
「天気予報のうそつきー」

ぷう、と頬を膨らませ、鉛色の空を睨みつける花音ちゃんの手には、かわいい小さなウサギぬいぐるみがいる。

去年のコンクール予選あたりから持っているぬいぐるみだけど、花音ちゃんはよほど気に入っているのか、見かけるたびにそれを抱いていた。

レッスンのときも、必ずピアノの上にこの子がいたなぁ……。

「もうすぐ梅雨入りするって言っているから仕方ないわ。十分に楽しませてもらったわよ? ありがとう、花音ちゃん」

そう言って花音ちゃんの頭を撫でる。

かわいいからつい、撫でたくなってしまう。

「えへへー」

嬉しそうに笑ってもらえると更に嬉しくて、こちらまでしあわせな気分になる。

「お茶を淹れ直しましょう。水琴先生は座っていてくださいね。……花音、手伝ってくれる?」

「はーい」

拓斗くんに声をかけられた花音ちゃんは素直に返事をして、一緒にダイニングの方へ消えていった。

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