キス・キス・キス
彼の発した大切な言葉を聴かず、私は教室から飛び出した。初めて朝当番をサボり、そして無断で学校もサボる。たぶん私は泣いている。それが実感できないぐらい感情は高ぶっていた。

あんな会話をしたいんじゃなかった。もっと単純な言葉で彼のそばにいれる確証が欲しかっただけ。それなのに事前に準備されたキザな言葉で誤魔化された気がする。

たぶん彼には、私の知らない教本があるんだ!そして私は役場が用意した練習台でしかなかったんだ!ああ、いいさ!彼が素敵な女性と床入りできるまで、その練習台でもなんでもやってやるさ!だって好きなんだもん!健吾のこと。

私って、バカだな…。

畑の畦道を歩いてる途中、学校の方から広報放送が聞こえてきた。

『ピンポンパ…ええーい!このチャイムはヌルすぎ!村民の皆様、大変なことになりました!志村健吾くんと西城智佳子さんがケンカしました。別れたかもしれません!志村健吾くんが早く新しい彼女を見つけることを祈ります!』

私の気持ちは置いてきぼりかよ。
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