キス・キス・キス
「確かさ…このシチュエーションで出来るキスがあったよな。あの『上手なキスの仕方』に書いてあったよな。体勢的には間違いないんだけど、確か…えーっと、なんだった?」

「最終ページの『疲れ果てた無抵抗な女性にはマウントポジションを取り唇を優しく押し付けろ!』編のこと?図解式で書いてあった高等テクニック⑪だよね…あっ!ダメだよ…うっ……」

志村くんにカラダを拘束されたまま、唇を優しく合わされしまった。今日はもうしないつもりだったのに…四回目。

もう、いいや。私は練習台だし。

「いいよ志村くん…。この先を続けても、練習台になるって決めたし」

「おっ!それだ!」

「なにが!」

「お前が言う、その練習台ってなんだよ!俺はそんなこと一度も思ったことはないぞ!確かにお前が知らない『女性の口説きかたABC』って教本は役場からもらってたけどよ!」

「やっぱり、そうなんだ…。でも、もういいって」

「なあ、聞いてくれよ…。好きな女のためにカッコいいセリフで決めたい男の気持ちって西城にはそんなに不満だったのか?」
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