大切な人 -永遠なんて存在しない-

瞬side



川本が走ってきたとき

ああ、コイツはやっぱり由香のこと…って思った。

だけど
俺…邪魔じゃね?なんて言いやがった。
てめーじゃなく俺が邪魔なんだよ。
すげぇムカついて

「は?」

って言ってしまった。

「は?って言われても…付き合ってんだよね?二人は
だから、俺…やっぱ帰るよ。
じゃあね」

余計腹が立った。

ふざけんな。
コイツどんだけ由香の気持ち分かってねぇんだよ。

俺は、川本の胸ぐらを掴んだ。

「帰んなよっ…ざけんな。お前が帰って…
そしたら、コイツの気持ちどうなんだよ。

コイツと俺は…
付き合ってねぇよ!

由香はっ…由香は…
俺と別れた後ずっと…今も忘れられない奴がいんだよ。

俺は、今でもずっと片思いなんだよ!!

…気分悪ぃから帰る。」


あー二人を結ぶのが自分とか…
泣きてーよ。


「…瞬くんっ…うっ…」


お前が泣くなよ…由香。
泣けねぇじゃんか。

「ちゃんと…今度は、言えよ?
俺に言えて、コイツに言えないわけ無いんだからさ。

じゃ」


これで良かった。うん。
そうだよ。
なんだこれ…俺、いい人になっちゃってるし…。


< 59 / 64 >

この作品をシェア

pagetop