ヤンキー少女は純情ちゃん!



倉庫って言っても見た目は普通の2倍ぐらいの大きさの家。


もともとは先代のうちの誰かの家だったんだけど、たまり場化してたからあたしたち後輩に明け渡したんだとか。


ガチャッと玄関を開けると大量の靴が散らばっている。



「……きたなっ!」


思わずそう言わずにはいられないくらい汚い。


「……確かにな。揃えろよ…」


いつもはある程度何も言わずに見ている千春ですらそう言ってしまうぐらいひどい有様。


あまり倉庫には来ないけどいつもこんなんなのか…と思うとげんなりする。


あたしを含め、男3人もさすがに少し放心状態だ。


そんなあたしたちの後ろでいきなりドアが開いた。


ゆっくり振り向くと。



「……4人ともなんで玄関に突っ立ってんの」


そこにいたのは悠であたしたちを見て少し目を見開いている。



誰1人口を開かず沈黙が続いた。

始めに沈黙を破ったのは祥。


「…悠見てみ。この有様」


そう言いながら祥は大量の靴を指差した。



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