ヤンキー少女は純情ちゃん!



「ん?……うわぁー…」


散らばっている靴を見て悠はおもいっきり顔を歪めた。


「……きたね…つか靴多っ!」


一瞬テンションの低かった悠はすぐにいつもの悠のテンションに戻った。


いつも通りの悠は無駄にうるさい。


「……まぁ…暑いし中入ろっか」


あたしがそう言うとみんなはのろのろと中に入っていく。


まずは少しだけリビングに顔を出してから2階に上がるのが当たり前になっている。



リビングへと続くドアを開けると一斉に視線が集まった。


「……あ、総長、副総長こんちわ。祥さん、智さん、楓もこんちゃーす」

「いや、なぜにあたしだけ呼び捨てよ!?」


あたしより年下の智はちゃんと智“さん”なのになんであたしは“楓”!?


普通逆でしょ!


不思議でしょうがないあたしを見て大爆笑しだした男たち。


その中の1人が口を開いた。



下っぱの中でも一番強いと言われている聖(ヒジリ)だ。


「楓にさん付けとか……っないわー(笑)ぶは…っ!」


ぶっ飛ばしていい?




……ぶっ飛ばす!!



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