ヤンキー少女は純情ちゃん!
「あんたなめてんの?なめてるよね?殴られたい?……そうかそうか。殴ってやるよ」
周りから見ると怖いらしい笑顔で聖に近寄っていく。
「……え、ちょ、楓話せば分かる!話せば分かるからぁー…!」
かなりの逃げ腰であとずさっていく聖。
「話しても分かるわけねぇだろうが、ぼけぇ!」
「いてー……っ!!」
聖の鳩尾にヒットしたあたしの拳。
相当痛かったようで鳩尾を押さえてうずくまった。
自業自得だ、ざまあみろ!
そんなあたしを見て智は呆れたように
「……なんでドヤ顔なんだよ。…バカか」
とか言ってきた。
「は!?バカじゃないから。普通だし」
「楓そこは頭いいし、って言うところじゃない?」
祥は笑いながらそう言った。
「……やー、あたし頭は良くないから」
「うそつけぇ!頭いいくせに!俺より頭いいくせに!」
「……さすがに悠よりかは頭いいよ。悠バカ過ぎ」
悠と比べられるなんて心外だ。
「楓ひどっ!もうちょっとオブラートに包んでくれても……」
しゅん……と音がしそうなくらい肩を落としている悠。
耳と尻尾が見えるのはあたしだけ……?