ヤンキー少女は純情ちゃん!
「───ってえな。前見て歩け………よ…?」
「………唯?」
ぶつかったのは柱かなにかだと思っていたから人だと分かりびっくり。
いや、それよりびっくりなのは同じ制服を着た唯が目の前にいることだ。
「……楓?なんでいんの?」
「……唯の幻覚が見える」
見事にはもったあたしたち。
目をぱちくりさせている唯は切れ長の瞳を限界近くまで開いていた。
対するあたしもこれでもかっ!ってくらい目を見開いているだろう。
「え、えぇー……唯、同じ…学校?」
「…らしい、な。……それよりノート。散らばってるけど?」
床を指差す唯の視線を辿るとそこら辺に散らばってる大量のノート。
「……忘れてた」
しょうがなくしゃがみ、ノートを拾い始めるあたしの横で無言で拾ってくれる唯。
「……ありがと」
全てを拾い集めたノートは再びあたしの腕に戻ることとなった。
「こんな大量のノートを楓1人で運ぶのは不可能だろ……」
そう言いながらノートを半分、いや2/3は持ってくれてるであろう唯に少しキュン、とした。
最近気付いたことはあたしはギャップに弱いということだ。