ヤンキー少女は純情ちゃん!



「……唯、兄貴いるんだ」

「いや、楓そこは女なんだから“兄貴”じゃなくて“お兄ちゃん”って言えよ。……まあ、いるけど」


あたしに女らしさを求めるなんて不可能に近いと思う。


「へぇー…ってことは唯の兄貴は結構年上なんだ?」

「……今意図的にスルーしたろ。まあ、いいけど。そうだなー…結構離れてるな」

「担任と同い年なら25だもんね。えーと…1、2……9コか!いいなー」


そんな年上な兄貴とか羨ましい。


そりゃ、あたしも兄貴いるけど!


年近いし……


そんなことを考えてると唯が口を開いた。


「楓はいねぇの?兄弟」

「んー……まあ、いるっちゃいる、かな」


あたしの返答にすかさずつっこんできたのは担任。


「お前、兄貴も弟もいるじゃねぇか。あいつら泣くぞ」


……兄貴いるのは知ってて当たり前だとは思うけどなんで智のことも知ってんだ?こいつ。


「兄貴と弟って楓、男兄弟なんだな」

「ん。まあね」


そのせいでがさつに育ってしまったんですけど。



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