「1/4の奇跡」左側の君に【完】
あ・・・こんなに顔を真っ赤にして、
彼女も拓人が好きなんだ・・・
現実を思い知らされたような気がした。
言わなければいいものを・・・私ってほんとバカ。
彼女はまた手帳に書き込み始めた。
【結婚なんてしないですよ!
からかわないでください!
確かに、私は和泉先生に告白はしました。
でも、断られたんです。
好きな人がいるって】
結婚・・・しない???
でも、拓人が・・・
私はまた手帳を受け取って、
次のページをめくって書き込んだ。
【結婚しないんですか?
好きな人?
断られた?】
私は首を傾げながら、彼女に手帳を渡した。
彼女もまた書き込んだ。
【結婚どころか、お付き合いもしていません。
好きな人がいるって断られていますから】
そうなんだ・・・好きな人・・・
彼女はまた続きを書き出した。
【和泉先生は、いつも名札の紐にキーホルダーをつけているのですが、
そのキーホルダーは好きな子のものなんだと言ってました。
とても大切にしていて、
帰る時はいつもそのキーホルダーに紐をつけて、首から下げています。
とてもじゃないけど、私の入る余地なんてありません】
・・・・キーホルダー?