「1/4の奇跡」左側の君に【完】
天文台に戻り、お父さんに車の鍵を返した。
「お父さん。
私、さっき拓人を天文台に誘った。
来てくれるかわからないけど、
今日は、お父さん先に帰ってて。
私は電車で帰るから」
お父さんは、パソコンの手を止めた。
「わかった」
お父さんは私の顔を見ずに答えた。
怒っているのかな・・・
別れてからしばらく、
泣いて部屋に引きこもっていたから、
お父さんとお母さんには、本当に心配をかけた。
家では、拓人の話をしないようにと、気を使わせて。
それなのに、またいきなり拓人と再会して。
お父さんの気持ちは今きっと、
複雑だと思う。
お父さん、私・・・
拓人に聞きたいことがあるの。
伝えたいこともあるの。
私・・・