モラルハザード

奇妙な話になった。

ほとんど面識のないママ友のだんなさんの買い物に付き合うなんて。


「はは、あつかましいですよね、すみません」

人懐こい笑顔と関西弁だからだろう、

奈美のだんなさんは、人との垣根を低くする。


私は少し躊躇したが、奈美のだんなの森川がどんな男性か、ちょっと興味もあった。


「私でよかったら。奈美ちゃん、おしゃれだから、ちょっとむずかしいですけど」

そんな好奇心もあったので、微笑んでから快諾した。


ロンハーマンのアクセサリーでは、奈美の好みのものというよりは

奈美が持っていないものを探した。

奈美の持っているアイテムは頭に入っている。

私は、数あるアクセサリーの中から、奈美が持っていなくて、奈美が好みそうな

レザーブレスレットとピアス選び出した。


両方で3万ほどしたものだった。

これが適当な値段なのか、わからなかったが、

森川はサラッとカードで支払いを済ませた。
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