モラルハザード

「あ、すみません、僕ばかりしゃべって」

私の表情にようやく気付いたのか、森川は気遣いを見せた。


「相原さんは、だんなさんが芸能界の方だし、恵まれた奥さまだから

こんな投資の話しなんて興味ないですよね」


「はあ…」


投資…そんなチャンスもなかったし、考えたこともなかった。


「惜しいなぁ…相原さんが資金運用に興味があったら、ぜったい、お勧めの話なのになぁ。」


一人ごとのようにつぶやく森川に私は苛立ちを感じた。


私は、ちっとも恵まれてなんていない。

ずっと、お金で困っているの。

そんな儲け話があるんだったら

私にも教えてほしい。
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