モラルハザード
「森川です。今日はありがとうございます。突然のお願いだったのに」
弁護士と言われても、知り合いなどいない。
マリッぺなら、そんな人脈もありそうだが
この間のマリッぺの後ろ姿を思いだし、相談するのをあきらめた。
そこで、ネットで検索して、探しだした弁護士が『園部弁護士』だった。
社会派というのだろうか、HPには弱者の味方だ、困った人を救いたいなど
と、書かれてあったが、そんな言葉よりも
『家族が逮捕された方、すぐに弁護活動を引き受けます』
この言葉に藁をもすがる思いで、園部弁護士に決めた。
「ご主人が突然逮捕されたということになると
一刻も早い弁護活動が必要です。心中、お察ししますよ、奥さん、大丈夫ですか?」
柔らかい声は、電話のままだった。
ネットで問い合わせたら、すぐに向こうから電話をくれた。
「お子さんの預け先も見つかったのですね、よかったです」