モラルハザード


──あなたの力になりたい

その言葉は当に今の私が一番ほしい言葉だった。

でも…陽介がいない今、その言葉にすがっていいのか

どうか迷いがある。


「ママ…お腹すいた…」

向日葵が目を覚まし、抱っこを求めてきた。

「うん、そうね、ちょっと待ってね」

買い置きしておいた食パンに

マーマレードを塗って与えると大人しく座って食べた。


「ね、ママ、今日はプリの日?」

舌足らずなしゃべり方で向日葵が尋ねる。


「ううん、今日は違うよ」

向日葵の柔らかい髪をなでながら答えた。

陽介が逮捕されてから、プリには行っていない。

体調が悪いと連絡をいれている。

ずっと休まされていることを向日葵も感じているのか…


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