モラルハザード
「向日葵、プリに行きたい?」
「うん、行きたい!プリだいすき」
このまま陽介が刑務所にでも入ったなら
プリスクールに通うことが出来なくなる。
その現実を知らずに、食パンをほおばる向日葵が不憫で仕方なかった。
─うん、行きたい、プリだいすき─
向日葵のこの言葉で決心がついた。
私はすぐさまパソコンに戻り
コメントに記してあった右田の連絡先にメールをした。
右田はすぐに電話をくれ、今の状況をテキパキと確認した。
「奥さん、安心して下さい。もう、大丈夫です。ところで、今、弁護している
その、園部弁護士というのは奥さんのご縁がある方ですか?」
「いえ、ネットで調べてお願いしたんです」
とってもいい方で──と続けようとすると右田が遮った。
「よかった。では、うちの会社の顧問弁護士に担当させましょう。
きっと、とんとんと話が進みますよ。全部、私に任せて下さい」