オレ様になりたくて…。
取り敢えずホテルのロビーのソファーに座りこの後を考える

ホテルの中も今日ばかりは賑やかな歌や光で溢れかえっている

さて、これからどうすっかな

真っ直ぐ帰るっつーのもなぁ

知り合いのbarで軽く飲んでから帰るかなって立ち上がろうとした時

目の前を通り過ぎていくカップルに釘付けになった

仲良さそうにホテルの玄関から出ていこうとするカップル

男は女の華奢な肩を優しく抱いていた

女も少し男に寄り添い頬を赤く染めていた

クリスマスの今日ならどこにでもいるカップルだし、そこらじゅうで見かける光景だ

だけどオレにとっては見ちゃイケないカップルだった

何故かって言うと女が難波薫子だったって事

それから女の肩を抱く男の左手薬指には銀色の指輪がはまっていたからだ
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