オレ様になりたくて…。
たまたま、就職情報誌を買おうと立ち寄った本屋で


「難波?」


もう何年も経つと言うのに忘れたくても忘れられない声が聞こえた


「三輪さん…」


「お前、いい女になったなぁ」


たったその一言でアタシの心は舞い上がる

ガラにもなく運命の再会じゃないかって、あの時みたいに浮かれ出す

けれど、一瞬で現実に突き落とされた

彼の左手には指輪が光っていたからだ

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