オレ様になりたくて…。
「結婚したんですか?」
「ああ…二年前かな」
と答えた彼の表情が一瞬曇る
「難波、時間ある?」
無職のアタシにはいくらでもある
「ありますよ」
「じゃあ飯付き合えよ」
予想外の言葉だった
「お前の話聞きたいし…」
「そうっすね。アタシも聞いてもらいたい話ありますよ」
その後、二人で適当に近くの居酒屋に入った
「お前、酒飲めんの?」
「飲めますよ」
って実はあんまり得意じゃなかった
でも何か見栄張って飲めますよなんて言ってしまった
ちょっとした事でも大人の女に見えるんじゃないかって…
慣れないお酒のせいか、アタシはいつもより饒舌だった
あの後、レディースをちゃんと止めた事
めちゃくちゃ勉強して大学入った事
バイトして稼いだ金で放浪の旅に出た事
を一気に話した
三輪さんはずっと優しい顔して黙ってアタシの話を聞いてくれてた