ゴーストバスターZERO
第13話(一握りの可能性)
おっす!
俺は、霊になった零!
(↑ややこしいな…)

まさかの…
(↑マサカズか?)

初降臨を
キャッ!!
(↑何考えとるんか?)


体験した…
キャッ!!
(↑このヘムタイ妄想が!)

少年は…
ちょっとだけ
たくましく
なったかな?

頑張れ!
少年!!


…でも…

天魔のヤツ…

最大の試練って
言ってたな…


時間が無いなら
この勢いで
ぶっちぎりで
やったるで~!


……第十三話(一握りの可能性)


少年から離れた俺は、
また天空へと吸い込まれて行った…

ウォォアアア~!!


ココは…


ココアか?
(↑さぶっ!)



溶岩地帯

山に四方を囲まれた

時おり
マグマが吹き出し

熱い…

灼熱地獄だ…

「天魔!!」
「熱いぞ!!てか…」
「ここで何をするんだよ…」
「泳げってか?」
「無理っすよ…」


(零よ…いよいよ最終試練だ…)
(ここに、長くは居られんだろ?)
(その内、皮膚が焼けただれ、呼吸器官がが火傷を起こし、やがては…)


「ヘッ?」
「霊体でも…死ぬ…の?」
(死ぬと言うより、消滅してしまう…)
(一度消滅すると、現世に戻る事は、おろか)
(輪廻転生すら出来ぬのじゃ…)


(゜□゜)
(↑顔文字してる場合か!)

「だから!!何だよ!!」
「早く言えよ…」


(どうやら、事の重大さに、気付きおったの…)
(最終試練は…ある者を倒すのじゃ…)
(倒せば…お主は…現世に戻れるぞ…)



「分かったよ…」


(ならば、行くがよい!)
(ZERO~!!)


「ほへっ?ZEROって言ったか?」


上空より…
金色の光に包まれた
ZEROが飛び出してきた…
ZERO降臨!!

(ZEROを倒せ…時間がないぞ…)


天魔はそう言って
消えて行った…


(零…隙があるぞ!!)


ウガァッ!!

ZEROの先制攻撃を受け
危うくマグマの川に
落ちそうになった…


「ZERO…お前…本…気か?」


(もちろん、本気だ!!)
(ここは言わば、俺様のフィールド…)
(貴様は知らぬが、俺様も…ここなら、覚醒出来る)

ウ…ウォォアォォア~!!

火の鳥覚醒


ZEROの圧倒的な強さに
さらに、火の鳥を覚醒した


ZEROの背中に焔の翼が…


クソッ…


ウォォワアアア~!

獅子覚醒!!


バシュッ!

口から火の玉を吐き出した!!

(これに、当たると…お主は消滅するぞ…)
(食らえ!!)


バシュ、バシュ…バシュ!!

正直…
避けるのに
精一杯だ…


反撃すら出来ねぇよ…


どうしよう…

雷電も…
溜めれないし…


雷神は
ここには来れない…


ドスッ!!


うぁああ~!

火の玉が俺の肩をかすめた…


アイツ…
本気か…


勝機がない闘いなんて…
無駄だよな…


ZEROに歯向かった罰だ

いくら何でも…
一緒に戦った仲間を…
殴れないよ…(泣)


俺は…
ZEROにとどめを刺せと
頼んだ…


「ZERO…やっぱスゲェよ…」
「お前と、俺は…」
「仲間だよな…(泣)」
「いつも、心配してくれた…」
「やっと分かったよ…」
「少年に憑依した時…」
「お前の…気持ちが…」
「分かった…(泣)」
「あの時…俺が死ぬという事を、食い止めたかったんだろ…(泣)」



「ZERO…ありがとう…」

(貴様…話は…それだけか?)
(もはや、勝算がないとみて、諦めおったか…)
(情けない男よのう…)
(最後まで、例え、一握りの可能性すら…捨てるのか?)
(前にも言ったが、己の中にある力を信じず、人に頼りたがる…)
(見ていて、ヘドが出るわ!!)


「確かに…そうだな…」
「分かったから、消滅させてくれよ…」


(貴様!!まだ分からんのか!!)
(あの少年の姿を…)
(思い出せ!!)


「あの…少年…」

似てる…

あの少年…

ZEROの現世の頃の姿だった…

そうか…
ZEROって…

人間だったのか…

(アレは、数十年前の俺様だ…)
(不覚にも病に倒れたが…)
(だが…あの時貴様に救われた…)
(後に天魔が現れ…)
(貴様が来世からきた、零という男だと聞かされた…)
(俺様は…貴様の成長と共に、霊界修行を志願し、貴様に恩返しをしたかった…)


「ZERO…」

(だが…俺様の憧れた男は…目の前の貴様ではない…)


(さらばじゃ…)


ZEROは…
空中に舞い上がり…

両手の拳に炎を溜め込み

(最後だ…火焔拳!!)


空中より、
俺に向けて突っ込んできた…

一握りの可能性…


そうか…


ZEROのヤツ…


俺にヒントをくれたのか…雷電拳も火焔拳も一度きり二度目の攻撃が出来ない…


燃え盛る炎となった
ZERO…


引き付けろ…

俺は…

目を閉じ…

(零よ!!観念したか~!)


1メートル…

50センチ…

感じる…

ZEROを…


残り
10センチ…


5センチ…


今だ!!

俺は…

体を反らし

ZEROの火焔拳を

よけた…


ZEROは…

そのまま…

マグマの川に…


ゥオオゥオオアアア~

ZEROが…

溶け始めていく…


俺は…


ZEROを


追って…

マグマの中へ飛び込んだ…

「ZERO~!!」
「待ってろ~!!」



この時…

俺は自ら…


消滅を選んだ…


マグマの川が

俺達を


飲み込んで


しまった…


第十三話 続
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