求*幸福~愛しい人はママだった~【完】


何だかその様子が可愛くて、つい、ふふっと笑いが出て
「もう、大丈夫です、頭を上げて?」と言った。



「いいの?」顎をテーブルにのせて上目遣いで聞いてきて、それにまた、ふふっと微笑みながら「はい」と彩乃が返事をする。



翔哉が忙しくなり、それと同じくして報道がされ、さらには渦中のリリア本人に登場され…彩乃は友人として接していたはずの目の前の芸能人と、自分との関係がよくわからなくなっていたが、今はもう、こんな素直な彼と話して、そんな気持ちすら消えてしまった。



彼は私に誠実にいてくれてる。



そして、私は、幸太を愛していることにかわりなくても、それとは違う、強い魅力に惹き付けられて傍に居たい…と感じている…恋かは解らないけれど。



今は、この想いを大切に、彼との繋がりも大切にしていきたい、そう、素直にようやく思えた。






< 162 / 261 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop