求*幸福~愛しい人はママだった~【完】
あまりの精神的、肉体的苦痛に耐えかね、そこで彩乃は気を失った。
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騒がしい声を聞き、数人が近所から顔を出したのをみて、救急車と警察への連絡を村田が頼み、病院に付き処置が終わったときには夜の10時を過ぎる頃だった。
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女性は逮捕され、自宅を捜索すると送られた物と同じ写真があり、脅迫してきたのもこの女性だと判った。
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腕を刺され、数ヵ所を切りつけられ、精神的ダメージから彩乃は処置後も眠り続けた。
その間に脅迫事件は解決となり、ようやくネット記事から始まった騒動は終息しようとしていたが、それぞれに着いた傷は痛々しいものだった。
彩乃のベッドサイドには、ぐるぐるしたカラフルなものが描かれた画用紙が立て掛けられ、さらにすぐ手前には可愛らしいピンクのバラの花が活けられている。
…彩乃は大きく傷ついたが…犯人の命を守ることが出来た…命が尊いと知っているから。