求*幸福~愛しい人はママだった~【完】

☆誓い



怪我をして、入院し、退院すると暦は春になろうとしていた。

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自分の、翔哉に対する愛情を認めたらなんだか落ち着けた。



決して楽にはならないし、いつも、いつまでも『幸太』との日々は私の一部だから、ついつい、後ろ向きになるときもある。



けれど、その幸太との愛よりも、深く求めてしまった翔哉との幸福は自身に素直になることで、凪のように穏やかに、ストンと心に収まった。

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会えない日々が続いても以前のようにモヤモヤすることはなく、『寂しい』だけを飲み込んでメールでやり過ごしていた。



事件は解決し、私の生活も以前のようになり、紗彩も保育園にまた通い出した。



ただ、仕事は内勤にしてもらい、商品管理や企画などをするようになった。



いまだに、興味本意で見に来る人がいるのだ。









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