求＊幸福～愛しい人はママだった～【完】

どのくらいそうしていただろうか……



翔哉が離れていく…



「彩乃…幸福（しあわせ）になろうな？どちらか一方が我慢したり、無理するんじゃなくて、二人で、な？」



そう、翔哉に言われ、子供のように小指を私に向けてくるから、ふふっと笑いながら「はい…」と言って小指を絡めた。



………「指輪、出していいかな、あんまりにもさっき、嬉しすぎて忘れた…」苦笑いしながら私の手から箱を受け取り指輪を出す。



プラチナ台に、真ん中にダイヤモンドがあり、その左右にハートにカットされたダイヤモンドがある、シンプルで、品のあるものだった。



私の左手をとり、薬指にはめてくれる。



サイズは、少しだけ緩い？かな、と感じたけど抜けてしまうほどではなかった。



「ステキ……」左手を上に掲げて指輪を眺める。



「ありがとう。」心を込めて、翔哉を見つめて伝えた。