【砂漠の星に見る夢】
「それは私の台詞だわ。しがない町娘の私があなたの所に嫁ぐなんて、なんだか夢でも見ている気分だもの。
……だからまだ親にも伝えていないのよ。照れ臭くて言い出せてないっていうのもあるんだけど」
「それはそれは」
ネフェルはクスクス笑った後、イシスを前に優雅に跪き、
「あなたのことは一生僕が守ります。……この命に代えても」
そう言って手の甲にキスをして、真っ直ぐにイシスを見上げた。
……ネフェル。
イシスは頬を赤らめ、目に涙を浮かべた。
ネフェルはゆっくり立ち上がり、イシスを抱き寄せた。
温かいと感じた。
ネフェルの腕の中はとても温かかった。
これからの人生、この腕に守られ生きていくことができるんだ。
それは果てなく幸せなことのように思えた。