【砂漠の星に見る夢】
「……私、強情でわがままで素直じゃない女だけど、どうかよろしくお願いします」
ネフェルの腕の中で、イシスは下を向いたまま真っ赤になって呟いた。
いつも強がりばかり言うイシスの素直な言葉に、ネフェルは驚いたように目を見開いたあと、すぐに嬉しそうな笑みを浮かべた。
「明日は宮殿の者を遣わせるよ。そして父上への紹介が終わったあと、君の両親にご挨拶に伺うよ」
「分かったわ」
ネフェルは自分がプレゼントしたエメラルドのネックレスにそっと手を触れ、
「明日は指輪をプレゼントするよ」
と額にキスした。
「ネフェル」
それは、幸せの絶頂だった。
愛する者と寄り添いながら、これからの未来に夢と希望を抱いていた。
憂いは何もなく、ただ明日に思いを馳せていた。
この後、二人に想像を絶するような悲劇が襲うことなど、この時は夢にも思っていなかった。